弁護士辰田昌弘は,平成元年の弁護士登録以来,個人,金融機関,商社,生命保険,メーカー,卸売業,小売業など様々な分野の債権の保全・回収業務を受任し,また破産管財人としても多くの債権回収にかかわってきました。債権の保全・回収は,できるだけ早く,しかも的確な方法でおこなうことが必要です。 [取扱対象債権の例] 貸金(個人・法人,金融機関の貸付金),譲受債権,連帯保証債務履行請求権,求償権,売掛金,請負代金,業務委託料,その他商行為に基づく代金,賃料(地代・家賃・共益費),使用料,立替金,納品した商品の回収,預託金,管理費,給料,残業代,損害賠償金,不当利得返還請求,詐欺被害金,離婚慰謝料,財産分与,養育料,相続財産使用料 など 債権回収は,初期の方針の検討が大事です。ただし,弁護士に委任すれば確実に全額回収できるというものではありません。相手の資産が存在しなかったり,把握できない場合には回収できない結果に終わることもあります。そのため,むやみに回収に費用と労力を費やすことはお勧めしません。そうは言っても,債権回収の努力をしなければ何も得られないままとなります。そこで,どこまで回収をするのかその見極めが重要となります。もし回収の見込みに不安があるなら,回収に費やす労力と費用を最初に限定してしまうのも一つの方法です。場合によっては最初から回収自体を断念することが必要になるかもしれません(税務処理などのために回収不能であることだけを明らかにする「債権回収」もありえます)。当事務所では,最初の法律相談時に,依頼される方と共に最も良い方法を十分検討します。 債権回収に伴うリスクを押さえるためには,契約の時点でできる限りの債権の保全策を講じておくべきです。契約書の条項の工夫,回収に関する情報の事前入手,物的・人的担保の設定などによりいざというときに備え,債権回収に伴うリスクを軽減させておくのです。様々な紛争予防策が考えられますのでご相談ください。また,債権の回収に問題が生じそうな場合にいち早く民事保全を講じておくことも必要です。 以下では,当事務所での債権回収に関する取り扱い業務の概要をご案内します。具体的な方法や費用などにつきましては,詳しく御説明しますので,メール・電話でご連絡ください。 |
契約書作成,検討
債権が発生する契約では,債権の回収のことまでを見通した契約書(基本契約書)を作成しておくことが重要です。当事務所ではその作成,助言を致します。従前の契約書についてもこの機会に見直しをされてはいかがでしょうか。一つの文言が抜けていたために大きな損失を被ることは,実際に存在する話です。契約書で紛争を予防しておけば,費用と労力の大きな節約になります。 回収に問題が発生してからでも打つ手はあります。例えば,相手と協議・交渉をして,債務承認,分割弁済等を定めた合意書・示談書を作成しておくことがあります。その場合,明確で効果が出る書面を作成しておくことが必要です。 契約書や合意書を公正証書(公証役場で作成)にしておけば,裁判をせずしてただちに強制執行手続きをとることが可能になります。裁判所での即決和解という方法もあります。 債権についての合意をする時点で適切な契約書を作成し,無駄な紛争を予防しましょう。 |
請求・訴訟など法的手続
・債権回収先との交渉・請求についての助言・代理。 ・請求書,通知書,督促状,内容証明郵便など相手に対する書面の作成・発送(弁護士が代理人として作成しますが,費用を抑える方法として弁護士がご本人の名前だけを記載した書面を作成するという方法もあります。) ・財産調査,債務者の相続人調査(受任事件に必要な範囲でしか調査できません。調査できる事項は限られます。) ・訴訟,少額訴訟,調停,支払督促など裁判所での手続きに関する助言・代理。相手が支払いに応じなければ,法的手続をとって判決などを取得し,それに基づいて民事執行(強制執行)を行ないます。 ・裁判所での各種法的手続きは弁護士に依頼することなくご自身(自社)で行なうことができます(手続きによっては社員の方などが代理人となることを裁判所に許可してもらうこともできます)。定型的な債権回収なら弁護士にアドバイスを求めるだけとする,代理ではなく書面作成だけを依頼する,などの方法により費用を抑えることも可能です。特に「少額訴訟」「少額訴訟債権執行」は御本人で行なうことを予定した制度です(年間利用回数制限あり)。債権回収の機会が多い事業をされている場合,ある程度の法的措置は自らで行なえる体制を整えておかれてはいかがでしょうか。 |
担保の取得
・抵当権・根抵当権,質権,(連帯)保証人,(個別・集合)譲渡担保(不動産・動産・債権等),仮登記担保、所有権留保。 ・その他の特殊担保の取得に関する助言・法的検討・交渉。 |
民事保全手続・債権管理
・仮差押は,金銭債権の支払いを求める場合,訴訟等の行動を起こす前に裁判所に申立をして,相手に知られないように,相手の資産を「仮に」押さえてしまう制度です。裁判所が出す決定です。もし仮差押手続きをとらなければ,訴訟をしている間に目的財産が他に移されてしまい,せっかく勝訴判決を得てもすぐに回収することができなくなってしまいます(移転先の者を相手に新たな裁判を提起しなければなりません)。仮差押の対象は,相手の不動産,動産,預金などの債権,自動車,建設機械,船舶,ゴルフ会員権,知的財産権など様々です。 ・仮処分は,特定の物を巡る請求権を保全する場合に,裁判所に仮の処分の決定を出してもらう制度です(仮差押は前述のとおり金銭債権の保全のための手続きです)。例えば,債務者が,唯一の資産である土地を第三者に移して隠匿しようとした場合,名義移転先の第三者に対して,処分禁止の仮処分決定を得て土地の名義を移転できないようにします。その上で,土地名義人である第三者に対し訴訟を提起し,土地を元の名義に戻します。 ・販売商品・自動車などの引き揚げ保全措置。実力で債務者の物を引き上げてくると犯罪になる危険があります。法律に従った適正な方法での回収が必要です。 ・時効の管理・時効中断措置の助言・指導、代理。消滅時効制度はかなり複雑ですので注意が必要です(法律の改正が検討されています)。 |
倒産時措置
・取引先の倒産(民事再生・破産申立など)の場合の納入商品の引き上げ。 ・動産売買先取特権に基づく動産競売,物上代位 ・倒産処理手続における債権届出,破産管財人との交渉,別除権・取戻権その他の措置についての助言・指導・代理 |
民事執行(強制執行)手続
・不動産強制競売申立(不動産差押)・不動産強制管理申立 ・債権差押命令申立(預貯金,売掛金,請負代金,預託金返還請求権,生命保険,給与など) ・転付命令申立 ・動産差押命令申立(商品,什器備品,貸金庫内容物など) ・株式・投資信託など有価証券,自動車,その他財産の差押命令申立 ・執行文付与申立 ・執行妨害行為に対する保全処分 |
担保権実行手続
・担保不動産競売申立(抵当権実行),譲渡担保,質権,先取特権 ・担保不動産収益執行申立 ・任意売却交渉 |
特殊な債権回収・その他
・債権者代位権,詐害行為取消権 ・法人格否認の法理 ・詐害的会社分割,資産隠匿などの対策 ・債権者破産申立,免責異議 ・債権譲渡手続 ・債権回収妨害行為に対する対策 ・詐欺被害,強制執行妨害などに関する刑事告訴(債権回収と直接には関係しません) ・財産開示制度 これは,裁判所に対して,強制執行の準備のために,債務者を呼び出して財産などの開示をするよう求める手続きです。しかし現在の制度では,債務者の財産を把握するのに役立つことはまれです。その結果,財産を隠されてしまうと差し押えがきわめて困難になります(弁護士といえども調査できる範囲は限られています)。そのような状況でも,少しでも回収できないか,できる限りの方策を検討しますので一度ご相談ください。 ・その他,債権回収に関する法律問題を広く取り扱っていますのでお問い合わせください。 |
営業職、総務・管理部門職員などに対する債権管理等の研修企画と講師派遣 |