民事介入暴力とは、民事執行事件、倒産事件、債権取立事件その他の民事紛争事件において、いわゆる事件屋、整理屋、取立屋及び暴力団員若しくは、それらに類する者が、当事者または利害関係人若しくはそれらの代理人として、その他の事件関係人に対して行使する暴行、脅迫その他の違法行為及び社会通念上権利の行使又は実現のための限度を越える不相当な行為をいいます。 従来暴力団は、覚せい剤の密売、賭博、恐喝、競馬競輪等のノミ行為等直接刑事犯罪に関わるものが、主な資金源でしたが、警察の取締りや社会・経済の変化に応じ、その活動は益々多様化、巧妙化してきている状況です。 特に、最近では、交通事故、不動産紛争、債権取り立て等の直接市民の日常生活や経済取引に介入して不正な利益の獲得を図る事案や、「えせ右翼」や「えせ同和」といった政治社会運動を仮装、標ぼうして、市民や企業等から不正、不当な利益の獲得を図る事案等の民事介入暴力事案が増加しています。 |
民事介入暴力に対しては、徹底した解決策が必要です。 |
民事介入暴力の被害に遭ったらどうすればいいでしょうか。まず、誰でもない、当の本人が、法律に基づく正当な解決をするんだ、との気構えをもたなければなりません。そのうえで、弁護士、警察、暴追センター等の協力を得て、対処します。具体的には、次のことに気をつけます。 ・相手の確認。暴対法施行以降は、暴力団は、名刺を出さなくなりました。年齢、身長等の特徴をメモするだけでも有用です。車のナンバーの確認も役立ちます。 ・要求の明確化。何を要求しているのか明らかにさせます。 ・証拠の確保。写真、ボイスレコーダー、ビデオなどで、証拠を残す。交渉経過を書いたメモの作成も有効です。 ・会社内の応接室等で応対し、相手の指定する場所、特に組事務所等には行ってはいけない。相手のテリトリーに入ると、相手のペースに巻き込まれます。ホテルのロビーなども避けます。 ・複数で役割を分担し、相手に応対する。最初からトップには対応させない。 ・法に基づく解決を求める立場で一貫した対応をし、不用意な発言、即答をしない。念書を書かない。予約のない面会は原則としてしない。時間を区切る。湯茶等の接待をしない。 ・毅然とした応対をし、おそれない。しかし侮らない。 ・警察への届出、警備要請、刑事告訴を検討する。各県の暴追センターの賛助会員になるのも良い方法です。 ・早期に弁護士に相談し、委任する。面談禁止の仮処分、街宣禁止の仮処分などの法的手段で対抗し、まず暴力団からの接触、煽動行為等をやめさせます。 ・別の暴力団を利用しない。 辰田法律事務所では、民暴の防止、被害者の救済のために、新たに発生する状況に対しその対応を日々、研究、実践しています。 |