目的と性格 民事再生法は、これまでの和議に代わる再生形の手続きである。 主に経営難に陥った企業や生活困難になった個人が、経営や生活の立て直しを図るにあたって、使いやすい再建手続きといえる。 現代のスピード経営の時代にあって、再建型の処理を選択しても、処理のスピードが遅ければ優秀な人材や営業継続のための資産も流出してしまう。 目的は、有用な経営資源の有効活用と、事業に失敗した経営者らの再挑戦の容易化にある。 特 色 和議法に代わる簡易な再建手続き。 従来までの和議法は、手続きが複雑で、時間がかかるばかりか費用もかさむことが多かった。 民事再生法は、簡易な手続きによって再建の道を開く、より利用しやすい法律。 傷が浅いうちに、手続きにのっとって裁判所の監督のもとで再建できる。 従来の和議は破産状態(支払停止か債務超過)に陥らなければ、裁判所に申し立てが出来なかったが、民事再生法では「将来において円滑な支払が困難と認められるような場合」には、その時点から裁判所に申請することが出来るようになった。 開始原因が緩和されているため、傷が浅いうち、つまり破産などの場合よりも負債が少ない状態で、手続きを開始することが出来るので再建がしやすくなった。 会社・個人事業者のみならず、一般個人も対象となっている。 このため、いわゆる消費者破産の代わりに、再生手続きによって再建を目指すことが出来る。 再建計画の議決(多数決)についても、従来の和議は3/4以上の賛成が必要であったが、民事再生法では出席者の1/2以上で足りるとされる。 50%未満の債権者が再建に反対しても、再建は不可能ではなくなった。 再生計画認可後は、この計画に基づいて、債権者による強制執行が可能になる。 和議手続きにおいては、和議計画が認可され、債務者が計画通りに義務を履行しなかったとしても、実効性のあるサンクション(処罰、制裁)がなかった。 再生手続きにおいては、再生計画通りに履行されなければ、債権者が強制執行を行うことが出来るため、債務者が真摯かつ誠実に義務を履行することが予測される。 効 果 ・他の手続きの中止命令 裁判所は、再生手続きの申し立てがあった場合には、利害関係人の申し立てか、または職権によって、申し立てについての決定があるまで、再生債務者の財産関係の訴訟手続きや、既になされている再生債務者の財産に対する強制執行の手続きの中止を命ずることができる。 この命令によって、強制執行などによって財産が処分されるのを防ぐ。 ・包括的禁止命令 裁判所は前述の中止命令では再生手続きの目的を充分に達成できないとき、利害関係人の申し立てか、または職権によって、申し立てによる決定があるまでの間、すべての再生債権者に対して強制執行などの禁止を命ずることができる。 既になされている強制執行などがすべて禁止・中止されることになり、債務者の全財産が確実に保全される。 ・競売手続きの中止命令 裁判所は、一般の債権者の利益に適合し、かつ競売申立て人に不当な損害を及ぼす恐れがないときは、利害関係人の申し立てかまたは職権により、抵当権などの担保権の実行としての競売手続きを、相当な期間中止することを命ずることができる。 ・仮差し押さえ、仮処分など 裁判所は、利害関係人の申し立てか、または職権により、再生手続き開始の申し立てについて決定があるまでの間、債務者の業務または財産に関して、仮差し押さえや仮処分、その他の必要な保全処分を命ずることができる。 ・監督命令、保全管理命令 さらに裁判所は、必要があると認めるときには監督委員による監督や、保全管理人による管理を命ずる処分をすることができる。 |
・他の手続きの中止命令 裁判所は、再生手続きの申し立てがあった場合には、利害関係人の申し立てか、または職権によって、申し立てについての決定があるまで、再生債務者の財産関係の訴訟手続きや、既になされている再生債務者の財産に対する強制執行の手続きの中止を命ずることができる。 この命令によって、強制執行などによって財産が処分されるのを防ぐ。 ・包括的禁止命令 裁判所は前述の中止命令では再生手続きの目的を充分に達成できないとき、利害関係人の申し立てか、または職権によって、申し立てによる決定があるまでの間、すべての再生債権者に対して強制執行などの禁止を命ずることができる。 既になされている強制執行などがすべて禁止・中止されることになり、債務者の全財産が確実に保全される。 ・競売手続きの中止命令 裁判所は、一般の債権者の利益に適合し、かつ競売申立て人に不当な損害を及ぼす恐れがないときは、利害関係人の申し立てかまたは職権により、抵当権などの担保権の実行としての競売手続きを、相当な期間中止することを命ずることができる。 ・仮差し押さえ、仮処分など 裁判所は、利害関係人の申し立てか、または職権により、再生手続き開始の申し立てについて決定があるまでの間、債務者の業務または財産に関して、仮差し押さえや仮処分、その他の必要な保全処分を命ずることができる。 ・監督命令、保全管理命令 さらに裁判所は、必要があると認めるときには監督委員による監督や、保全管理人による管理を命ずる処分をすることができる。 |